※リンテック株式会社のサイトにジャンプして、検索結果を表示します。
サイト内検索
※リンテック株式会社のサイトにジャンプして、検索結果を表示します。
【技術開発担当】リターナブルラベル素材は、食品や飲料用容器のリサイクル促進を目的に開発された粘着ラベル素材です。耐水性に優れており、表示ラベルとして貼付されている間は剥がれることなくきれいに情報を表示できます。容器の回収後、洗浄工程で容易に剥離できる点が大きな特徴です。
【研究開発担当】リサイクル工程は工場によって洗浄時の方法や、使用する洗浄液が異なります。そのためリターナブルラベル素材では、あらゆる洗浄工程にも対応できるよう、ラベルがすべて溶ける「水溶性タイプ」、水や温水でラベルが剥がれる「水洗浄・温水洗浄タイプ」、アルカリ温水でラベルが剥がれる「アルカリ洗浄タイプ」をそれぞれ開発。洗浄工程に合わせてラベル素材選択することが可能です。
【マーケティング担当】表示ラベルとして貼付されている間は剥がれることが無く、剥がしたい時には水や温水、アルカリ温水といったトリガーにより、簡単かつきれいに剥がれるところです。この相反する物性を両立させていることこそリターナブルラベル素材の一番の強みです。作業工程を新たに追加するのではなく、従来の洗浄過程で「剥がせる」ことが強みです。
【技術開発担当】今から約30年前、飲食店で利用される「ガラス瓶酒」の表示ラベルです。当時、使い終わった空き瓶は専門業者が回収・洗浄し、再利用されるのが一般的でした。しかしこの再利用の工程においてどうしても邪魔になってしまうのが表示ラベルだったのです。そこで酒造メーカーや容器洗浄業者から「効率よく剥がすことができないか」という要望があり、「ガラス瓶の洗浄工程」でラベルを簡単に剥離させることができれば再利用の効率化が図れるのではないかというアイデアが生まれ、開発が始まりました。
【マーケティング担当】初代のリターナブルラベル素材が販売されてから30年以上の時が流れ、近年では環境問題を背景にさまざまな容器がリユース、リサイクルされるようになりました。最近はガラス瓶だけでなく、プラスチックなどの樹脂容器に対しても、同様の性能を発揮させる開発がスタートし、2022年にリニューアルしました。また、リニューアルにあたっては印刷インキが洗浄工程に影響しないよう、表面の印刷もきれいに取れる「脱墨性」をプラスしています。
【マーケティング担当】洗浄工程でラベルを剥離させるには「洗浄溶液のラベルへの浸透」が条件として必要不可欠です。しかし、ラベルの素材やデザインによっては浸透が妨げられてしまう点にはかなり苦労しました。また、幅広い素材の容器でも剥がれるラベル設計を確立することにも時間がかかりましたが、粘着剤の組成や表面基材、剥離材種の検討によって課題を乗り越えました。
【研究開発担当】リサイクル工場によって洗浄工程や方法が異なるため、初期の頃は開発品の評価方法や結果にバラつきがありました。そこで役立ったのが研究所のデータベース。長年の研究開発で培われてきた粘着剤の配合や性能のデータを参考に、基材や粘着剤の配合を検討し、無事に解決することができました。
【技術開発担当】環境配慮を見据え、容器のリユース・リサイクルを前提としたすべての商品に対して、検討の価値があると考えています。お客様や社内からの試験依頼も年々増加しており、リターナブルラベル素材の需要が増えてきていることを実感しています。
【研究開発担当】リターナブルラベル素材の販売以降、ガラス瓶だけでなく幅広い素材の容器での試験を相談されることが増えてきました。今後はどんな材質にも対応できるよう、粘着剤のバリエーションの強化に取り組んでいきます。
【技術開発担当】リターナブルラベル素材を通じて、「ラベルを貼ったままでもリユース・リサイクルが簡単にできるラベル素材がある」という意識を社会に広げていきたいです。その雰囲気を醸成することがSDGs目標達成の一助になると信じ、これからもさまざまな市場への提案・啓蒙をしていきます。
【マーケティング担当】現段階では、こうした用途のラベルがすべて当社のリターナブルラベル素材というわけではありませんから、「ラベルを貼ったままリユース・リサイクルに出して大丈夫」となるまでには時間がかかるでしょう。しかし効率性や利便性を突き詰めていくと、「貼ったままリサイクル」になるのは自然な流れと考えます。その未来が来たときにすぐに応えられるよう、準備を進めていきます。